ストーリー

  (最終更新日:2018.01.17)

仕事力は偏差値だけでは決まらない。 高学歴で年上の部下のために ボーナスをかけて戦ったあの日。<ブラック企業物語【第7話】>

長女研究家の稀子(きこ)です。私のこじらせ長女ストーリーの第8幕「こうして私は優等生から転落した。受験の恐怖。」でも語ったように、大学受験が思うような結果にならなかった私にとって、「学歴・偏差値」というものは長きに渡って私のコンプレックスの1つとなる。

しかし、仕事ができるかどうかは「学歴や偏差値」だけで決まるものではないのだ。だがしかし、真面目で一本気な長女にとっては、親や親せきが「学歴や偏差値」に重きを置いている場合、やはり自分の学歴や偏差値は気になるもの。だがしかし!真面目すぎる長女にとっては、学校教育が「生きる力」「考える力」を奪うものにもなってしまう場合もあるので注意が必要である。

さて、今回は私が大学卒業後に入社したブラック企業に勤めていた頃のストーリーのうち、私よりも高学歴で年上の部下のためにボーナスをかけて戦ったストーリーを紹介したのち、「仕事力」について長女に知っておいて欲しい大切なことを綴っていこうと思う。

ぜひ、「学校がすべて」「勉強がすべて」な青春時代を送ってしまった長女のあなたや「学歴によるコンプレックス」を感じているあなたには、最後までお読みいただきたい。

初のチームリーダー

私が入社した企業の商品部は、数名のリーダーの元でチームを組んで仕事をしていた。

入社2年目、24歳の私もなんとこのチーム―リーダーに抜擢される。

24歳にして年上の部下を持つこととなった。

同期の中でNO1であり続けたかった、ギラギラしていたこの頃の私にとっては、リーダーへの抜擢は光栄なことだった。

だがしかし、1つだけ不満があった。

その不満とは、私のチームには仕事のミスが多く、よく部長からおしかりを受けていた人が2人もいたことだった。

しかもこの2人は、私よりもはるかに偏差値が高い大学を卒業している女性と有名企業から転職してきていた男性。

当時の私は、まだまだ社会人としても甘ちゃんで、人としてもこじらせていたので、「初めてのチームリーダーなのだからチームメンバーを優秀な人で固めてくれてもいいのに」と、なんとも偉そうなことを思っていた。

若気の至りとはいえ、今思うと恐ろしい女である。

有名私立大卒の女性はトラブルメーカー

さて、私がリーダーとなってからも部下2人の仕事ぶりが激変するなんてことはない。

特に、誰もが知る偏差値70以上の学部もある有名私立大学を卒業していた年上の女性社員のIさんは、とにかく仕事のトラブルが絶えない。

このIさんは、とにかくコミュニケーションがうまくなく、容量が悪いのだ。

いつも部長から怒られて「すみません、すみません」と頭を下げていた。

私がリーダーをしていた期間に、今でも忘れられないIさんとのエピソードがあるので紹介しよう。

リーダーとして部長からの命令に反発

コミュニケーションがうまくないIさんは、電話対応でのトラブルを良く勃発させていた。

そしてついに、フランチャイズ店の「くせ者オーナー」とトラブルになり、部長から「Iさんを電話に出すな」という命令が下ったのだ。

この時の商品部は、250以上の店舗から在庫確認や商品の問い合わせ、配送のトラブルやお客様からのクレームなど、ありとあらゆる電話がかかってきていて、1日が電話対応で終わってしまい、メインの仕事が終わらないくらいだった。

そんな中、1人が電話に出ないということは他の人の負担が多くなる。

部長からは「Iさんを電話に出させるな」と言われたが、私はこんなことを考えていた。

「電話に出させないことは簡単だが、それでは一向になんの問題解決にならない。Iさんにも成長してもらわなければいけない。」

こう考えた24歳の私は、Iさんにどうしたいかも確認したうえで、Iさんの電話対応を許してもらえるよう部長に話すことにしたのだった。

部長からのまさかの発言

部長に「Iさんの成長のためにも電話対応をしてもらいたい。」そう話をしたところ、予想もしない反応が返ってきた。

部長がこんなことを言ったのである。

「私の指示にい反抗するのだな。反抗するからには、Iさんがまたミスした時には、櫻本のボーナスはカットする。その覚悟でやるように。」

もうこの言葉には愕然とした。

24歳、入社2年目にしてボーナスをかけて、先輩を指導しなくてはならなくなったのだ。

部長のこの発言を聞き、薄々気がついてはいたが「なんて恐ろしいブラックな会社なのだ」と恐怖した。

部長の発言に対して今更、提案を取り下げることはできない。

私は覚悟を決めてIさんの指導にあたることにした。

私のボーナスの行方

幸いにもこの時の私は、ボーナスカットをされることはなかった。

Iさんも頑張り、汚名返上できたのである。

24歳にして冷や汗もののリーダー行であった。

余談だが、私が新卒で入社したこの会社は、たびたびミスを犯した者にはボーナスカットという制裁が行われていた。

ちなみに、社員1人がミスを隠し続けたことで起きた損害により、商品部全員のボーナスがカットされた年もあった。

そして、濡れ衣のミスを着せられた後輩がボーナスをカットされたこともあった。

まさに日々がサバイバル。

よくもそんな環境で3年と数か月、働き続けたものだと思う今日この頃である。

しかも、この恐ろしい会社を辞めることを躊躇して悩んでいたことがあるのだから、何とも恐ろしい。

仕事ができる人とは?

さて、このブラック企業での経験により、私は退社後「正社員トラウマ」になってしまったのだが、この会社で仕事のイロハは徹底的に叩きこまれたことには感謝している。

しかも、尋常じゃない量の仕事をこなしていたので、その後に転職した際には、仕事は簡単だし楽であると感じることがほとんどだった。

最初にどんな会社に入るかで本当にその後の仕事スキルや精神的トラウマは変わるものである。

複数の会社を経験した今、どんな環境で働くかで人生は変わってしまうと言っても過言ではないと感じている。

ちなみに、この会社を退職してから、のんびり社員教育をする会社にいたこともあるが、そんな会社だと社歴3年~5年であっても、私がいたブラック企業の2年目社員より仕事を分かってないし、仕事スキルがないと感じることが多々あった。

また、入社までは偏差値がかなりの武器になるが、社会における仕事の実力は、偏差値だけでは測れない。

さらに、仕事は関わった年数ではなく、「どんな環境」で「どんな立場」で「どのように物事を考えて」やってきたかが、スキルに反映すると思う次第である。

ただ目の前の仕事を言われたからやっているだけでは、年を重ねるごとに仕事のできない人になっていくだけである。

目の前にある仕事に対し、どのような人が関わり何のために行っているのかを理解し、より効率よく会社にとっていい結果を出すことができるかという、オーナー目線で仕事ができるようになると、どんな職場に行っても、独立しようとも信頼され、仕事ができる存在となることだろう。

どんな「意思」をもって仕事をするかによって、仕事のスキルも人としての成長具合も大きく変わってくる。

人生といいうものは、「意思」がすべてなのだ。

おわりに(人の価値とは)

改めまして長女研究家の櫻本稀子(さくらもときこ)です。

大学受験が思うように行かず、学歴にコンプレックスを感じていた私は、「偏差値が高い=仕事ができる」だとずっと思っていました。

なので、大学を卒業したのちにブラック企業内で短大卒の元ギャルな先輩(第3話で紹介)が仕事ができて、有名私立大卒のIさんが仕事ができない様子をまのあたりにして、「偏差値が高い=仕事ができる」は私のただの思い込みだったと知ります。

入社までは偏差値がかなりの武器になりますが、社会における仕事の実力は、偏差値だけでは測れないのです。(もちろん、偏差値も高く仕事もできる人もいますが)

ただ、多くの会社が今でも新入社員を履歴書内の大学名で振り分けたり、自分の後輩を多く会社に入れようとする傾向があるのも事実。

さて、もしも今回の話を読んでいるあなたが「偏差値」を気にして仕事に自信を持ちきれずにいるのであれば、それは違うとしっかり認識していただきたい。

「どんな意思」をもって仕事に取り組むかが、あなたの今後の「仕事力」を大きく変えていきます。

「目の前にある仕事に対し、どのような人が関わり何のために行っているのかを理解し、より効率よく会社にとっていい結果を出すことができるか」これをしっかり意識して、「やらされてる」のではなく、自ら「やっている」という意思をもって仕事に取り組んでいくことが何より大切。

いい子ちゃんの長女は、人から言われることはしっかりできても自分で何かを考えるのがとても苦手なので、その訓練にもなります。

いつどんな仕事がなくなるか分からない現代、「自分の頭で考える力」これこそがとても重要なのです。

もしも、あなたが頭で分かっていても「自分の頭で考える」がなかなかできないと感じているようであれば、エネルギー面からアプローチしていくのもとてもいい方法なので、私のサロンに「アデプトプログラム」や「DNAアクティベーション」を受けに来てみてくださいね。

では、また別のお話でお会いしましょう!

ブラック企業物語シーズはこちらが目次になっています。↓↓

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この記事を書いた人

長女研究家 櫻本稀子
長女研究家 櫻本稀子
1980年4月2日生まれ。スピリチュアル・ビューティーサロン代表。弟が生まれた3歳から「両親から愛されていない」と思い込み、長女をこじらせはじめる。だが、2015年に受講した「アデプトプログラム」をきっかけにたった2年半でこじらせた親子関係を修復。その経験から長女特有の「ネガティブパターン」に気がつく。このパターンを全ての長女が理解すれば「みんながもっと簡単に幸せになれる!」と思い、長女研究家として本サイトCOJILabo.にて長女が幸せになるコツを配信中。→詳しいプロフィールはこちら

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